ムーンナイトミルクがもたらす癒し

お母さんだってオンナよ、泣きたい時もあるさ。人生間違ったー!と無性に悲しくなり、3歳息子の前で、号泣しちゃった。

彼はモミジのような手で、ママナイチャダメ、自分もベソをかきつつ、頬の涙をぬぐってくれる。頬が情けなくはれ、瞼もむくんでいる。

まず顔を洗い、ママこれから元気になるね、息子に誓うと鏡の前でリカバリを始めた。取り出した、ムーンナイトミルク。

スッと肌に伸ばすと、バラ園にいるようなダマスクローズの気品ある香りが漂った。

最後の一滴が深くまで溶け込むと、涼しい風に吹かれたように皮膚へこもっていた熱が心地よく冷めていく。

熱と一緒にさっきまでのひどい気持ちが消え嬉しいね。次にムーンナイトミルクを一滴、効きますように、お祈りしながら頬に乗せる。またバラ園の風が吹いた。

ムーンナイトミルクはいつもと同じように、傷ついた肌を癒す。

いつのまにかそっと、隣に座る息子の鼻にも、ムーンナイトミルクをちょこんと乗せてあげた。ママすっごく良い匂い、と抱きついてくる。

しっかりと抱きしめ、ありがと。もう大丈夫。